~兄弟猫の絆~
みなさんは猫を飼ったことがありますか?
初めて猫を飼った日のことを覚えていますか?
この記事を読んでいる方は猫好きの方が多いでしょう。
そんな猫好きの人に聞いてもらいたい、うちの猫の不思議な話をご紹介します。

田舎育ちの私は、犬を外で飼う家ばかりで猫は野良猫しか見かけませんでした。
それに、猫に近づくと引っかかれると言われていたので苦手意識がありました。
そんな私が初めて猫を飼ったのは中学生の頃でした。
ある日突然、家にキジトラ猫(成猫)がやってきて、私の足にまとわりついてきました。怖くて追い払おうとしましたが、逃げるどころかより近づいてきました。
親に頼んで遠くに連れて行ってもらっても数日後にまた家に戻ってきました。
キジトラ猫はここを選んできてくれたんだということになり、「みゃー」と名付けて飼うことに決めました。
猫を飼うまで主食は「ねこまんま」だと思っていました。
トイレをした後に砂をかけるうちの猫は天才だと思い、みんなに自慢しました。
最初は猫の生態に驚いていましたが、だんだんと慣れていったある日、みゃーは家に帰ってこなくなりました。
悲しかったですが、元々人懐っこい性格だったので、新しいお家に行ったんだと自分に言い聞かせました。
だけどやっぱり諦められず、ネットで調べた「猫が帰ってくるおまじない」をすると翌日ひょっこり帰ってきました。
その日から外で日向ぼっこをしているみゃーの隣にオスの茶トラ猫が寄り添うようになりました。
おそらく弟だとは思いますが、瘦せていてみゃーよりひと回り小さかったです。
そして警戒心が強く、人間が近づくとすぐに逃げてしまいました。
いつか慣れてくれることを希望に「ミッシェル」と名付け、家の外にご飯を置いて遠くから食べる姿を眺めていました。

みゃーは昼間は外に出かけてミッシェルと遊び、夜になったら家の中で朝までくつろぐ生活をしていました。
それが当たり前になって数か月後、早朝に道路のわきでミッシェルが横たわって天使になっているのを見つけました。
みゃーに知らせなきゃと思いましたが、その日の朝は家にいませんでした。
ミッシェルとお別れをして悲しんでいた夜に、みゃーが帰ってきました。
いつもと変わらないみゃーでした。
それからというもの、いつもミッシェルと一緒に日向ぼっこをしていた場所にみゃーがひとりぽつんと座るようになりました。
みゃーはいつもの場所でずっとミッシェルを待ち続けていました。
それから数日後、みゃーは帰ってこなくなりました。
悲しかったけど、もうおまじないはしませんでした。
ミッシェルを探しに行ったのかもしれません。

以上がうちの猫との不思議な話(実話)です。
人懐っこい兄猫と臆病な弟猫の絆の物語を体験したような気持ちになりました。
みゃーが初めて私の家に来るまでに、ミッシェルに「安全なお家を探してくるからここで待ってて、必ず見つけて帰ってくるから」という映画のような展開があったのかもしれません。
ふたりが寄り添っている姿はとても愛らしかったですが、ひとりの姿になった時には背中がとても寂しく見えました。
ふたりで支えあっていた姿は今でも忘れません。
今もどこかで幸せに暮らしているといいな。